中国本土市場と香港市場の市場規模
まず、両者の市場規模を比較してみましょう。
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取引所 |
市場の種類 |
銘柄数 |
時価総額概算 |
取引通貨 |
| 中国本土 |
上海 |
A株 |
846 |
344.70兆円 |
人民元 |
| B株 |
54 |
2.17兆円 |
USドル |
| 深セン |
A株 |
631 |
81.48兆円 |
人民元 |
| B株 |
55 |
2.20兆円 |
香港ドル |
| 香港 |
香港 |
メインボード |
1027 |
343.00兆円 |
香港ドル |
| GEM |
193 |
2.46兆円 |
参考)中国株二季報 時価総額や銘柄数は、2007年11月時点。
私たち外国人投資家が投資できない中国本土A株市場は、香港市場を上回る銘柄数と時価総額を持った大きな市場であることが分かります。
A株と香港の両方に上場している銘柄も最近は増えてきていますが、まだまだA株にしか上場していない企業も数多く存在します。
また本土B株市場は、非常に規模の小さい市場であることも分かります。香港の新興企業向け市場であるGEMと同じくらいの規模しかありませんので、流動性には注意が必要です。
中国本土市場と香港市場の違い
両者の大きな違いを簡単にまとまめるならば、以下のようになります。
| 中国本土市場 |
・中国政府の政策の影響を受けやすい。
・個人投資家の動向の影響が大きい。 |
| 香港市場 |
・米国市場の影響を受けやすい。
・欧米機関投資家の動向に左右される。 |
香港市場は、香港ドルが米ドルとのペッグ制(香港ドルと米ドルの為替レートを一定に保つ制度)を採用していることや、欧米機関投資家の参加者が多いため(約6割と言われる)、米国市場の影響を受けやすくなっています。
金利も、米国金利とほぼ連動しますので、香港の景気がよくても、米国の金利が下がれば、香港の銀行の金利が下がるという現象も起こったりします。(一般的な経済の原則では、景気が良いときは、金利は上がる傾向にある。)
一方、本土市場は、許可を受けた海外機関投資家しか、海外投資家の参加者がいません。いわば、「閉じた市場」となっていますので、世界の株式市場の影響をあまり受けない独自マーケットと言われています。
また個人投資家の動向が、大きく影響しますが、中国の個人投資家は、短期間で投機的な売買をする人が多いとされています。このため、投資家の市場心理の影響が大きく、噂や憶測レベルの材料でも、株価は大きく動きますし、インサイダーも当り前という話もあります。
香港市場に比べると、本土市場のほうが歴史も浅く、まだまだ未成熟な市場であると言っていいと思います。
一般に”中国株”という表現が使われる場合、「本土株」のことを指していることもあれば、「香港株」のことを指していることもあります。しかし、中国本土市場と香港市場は、異なる性質を持った、違うマーケットです。どちらのことを指しているのかを意識しながら、情報に接しないと混乱のもととなりますので、注意しましょうね。
最近の傾向として・・・
以上が、本土市場と香港市場の違いですが、株式市場の制度改革の影響などにより、この傾向にも、少し変化が見られるようになっています。
香港市場においては、2005年以降、中国本土企業の大型上場が相次いだこともあり、以前に比べると、本土企業の存在感が格段に増しています。以前は本土市場との連動性はほとんどありませんでしたが、現在は、米国市場の動向とともに、本土市場からの影響も無視できなくなってきました。
米国市場と本土市場の影響の度合いは、その時々の相場環境によって変わってくるので、この点も意識しておくと面白いと思います。例えば、2007年は本土市場からの影響が大きく、米国市場との連動性が薄れましたが、その後、サブプライム問題の影響が大きくなるにつれ、再び米国市場との連動性が強まりました。
また、香港に上場しているとはいえ、本土企業の場合は、やはり中国政府の政策に、業績が左右されます。また、本土から香港への資金流入額に大きな影響を与える、QDIIや直通車に関する政策も、香港市場の株価の動きには大きな影響を与えます。特にH株やレッドチップへの投資では、中国政府の政策にも注意を払っておきましょう。
また本土市場も、以前は個人投資家が9割と言われていましたが、年金や投資信託などの機関投資家の割合も増えてきています。このため、以前よりは投資期間の長い参加者も増え、安定したマーケットへと変化しつつあります(あくまでも、以前よりは・・・ですが)。
QFII(適格海外機関投資家)の投資枠も、少しずつ拡大されていますので、海外からの投資も増えています。A株開放へ向けて、この流れは続くと思いますので、今後は徐々に海外マネーの影響も大きくなっていくかもしれません。