”香港”は海外市場&QDII,直通車、QFII
中国株の大きなポイントとして、「香港」は外国扱いであるということがあります。中国本土と香港は、実際には全く別の国と思っておかないと、、両市場の違いや類似点を語る際に混乱のもととなりますので、この「香港は外国扱い」という点は、しっかり認識しておきましょう。
1997年に香港は、英国から中国へ変換されましたが、その後も特別行政区として、一国二制度(一つの国の中で、社会主義と資本主義が併存して実施されること)の方針がとられています。つまり、
香港は、中国の領土ではありますが、社会や経済の仕組みが異なる、まったく違う国だと考えるのが、現実に即しているのです。
流通通貨も、中国本土は人民元ですが、香港は香港ドル。両者は全く異なる通貨です。香港ドルは米国ドルとペッグしているため、アメリカの経済や株式市場の影響を強く受けるのが大きな特徴です。(一方、人民元の為替レートには、政府のコントロールが強く働いています。)
中国本土から香港への個人旅行も、香港とのCEPA(緊密経済貿易協定)の締結に伴い、2003年の広東省の居住者から解禁となり、少しずつその枠が拡大されつつあります。でも、裏を返せば、それまでは、自由に香港への旅行ができなかったということであり、現在も、解禁されていない地区の人もいるわけですから、同じ国とはいえ、まさに”外国”だなーという感じですよね。
そして、ひとつの国の中に、「外国人にしか投資できない市場=本土A株市場」と「中国人にしか投資できない市場=香港市場」が存在するということが、中国株の世界ではとても重要なポイントとなっています。
そもそも人民元が自由化されていないことが、こうした複雑な市場構成を作りあげた原因なのですが、これらの市場も、外国人・中国人という区別なく自由に取引できる方向へ改革が進みつつあります。
たとえば、“QDII”“QFII”“直通車”という言葉を、中国株をやってるうちに必ず目にすることと思いますが、これらもその一環です。
・ QFII:
許可を受けた海外の機関投資家が、条件付きでA株の取引を可能にする制度。これによって、海外ファンドがA株へ投資することが可能となり、外国人個人投資家もファンドを通じて間接的にではあるが、A株への投資ができるようになりました。開始当初以降、資格制限の緩和や投資枠の拡大などがあり、少しずつ条件が緩和されています。
・ QDII:
一定の条件を満たした中国本土の機関投資家に、海外投資を認める制度。これにより、中国本土の投資家もファンドを通じて、海外市場(
含む香港市場)へ投資ができるようになりました。こちらも少しずつ条件が緩和される方向にあります。
・ 直通車:
中国本土個人投資家による香港株の直接取引を認める制度のこと。天津市濱海新区をテスト地域として、試験的に行われることが2007年8月20日に発表されました。当初は9月にも実施されるのではないかと予想されていましたが、政府は実施時期を明確にしておらず、現時点では実施のメドは立っていません。しかし、株式市場の動向などを見ながら、いずれ実施される公算が高いとされています。
今後も証券市場の規制緩和は進むはずですので、上記制度の条件も、少しずつ緩和されていくと思われます。
中国政府は、これらの規制緩和を、各市場への資金流入量の調整に使っているフシもあり、この点を理解することが、中国株投資を行ううえでは、重要なポイントのひとつとなっています。
そして、中国本土の投資家に海外投資が許可された場合、
中国本土にとって、もっとも身近な海外投資先が香港である、という点が、QDIIの規制緩和や直通車の実施が、香港市場へ大きな影響を与える理由となっています。